紀伊半島 紀和町/紀宝町 子ノ泊山 (907m) 2010年12月28日

所要時間 7:47 桐原登山口−−8:56 子ノ泊山 8:59−−9:45 桐原登山口

概要
 桐原登山口より往復。道の付き方が地形図とは異なり、標高400mくらいまで車で上がれる。登山道は良好で山頂の展望も良好。1等三角点

 紀伊半島シリーズ2日目が本格的に山に入る日である。前日の大河内山は峠から山頂までほとんど車道歩きで尾根歩きは僅かな距離しかなく、山を歩いた気分ではなかったからだ。だからと言って本格的なマイナーな山に入るにもこの辺りの植生の様子が不明で不安なこともあり、順当に登山道がある山をまずは選んでみた。これで植生はおよそ把握でき、今後の紀伊半島の道無き山歩きの役に立つだろう。登山道があると言っても地形図上で破線があるだけで、本当に道があるのかは分からない。でも、確か子ノ泊山は干支の山で有名だったような記憶がある。地形図では破線が2本あるが、まずは林道を走行する距離が短い北側からアプローチすることにした。

桐原側登山口駐車場 ルート案内図。桐原側登山口は地図右側

 県道を辿って桐原集落に到着し、あとは地形図を頼りに林道入口を探そうとしたら集落内に子ノ泊山案内標識を発見、これで登山道があることが確定。あとは案内に従って細い舗装道を進んでいく。地形図では滝の所から破線が入っているがここには登山口標識はなく、近くで出てくるだろうとゆっくり走行したがいっこうに出現しない。やがて登山口まで1.5km?の標識が出てきて登山口を通過はしていないことは確認でき、なおも進むと広場が登場、案内標識が立っていた。地形図と違ってかなり南側に登山口があったので、標高も距離も稼げただろう。今夜はここで仮眠。平日なので通行する車は皆無だった。寝ている間に偏頭痛の発作がきかけたが、今回は前兆段階で目覚めて薬を飲むことがきたため目覚めまでには頭痛はすっかり回復していた。もし発作が起きていたらこの日は山登りどころの騒ぎではなく、丸1日車の中で寝ていることになっただろう。

登山口の鉄梯子 最初は露岩ルート

 無人の登山口で飯を食い着替えを済ませて出発。案内地図があるが細かな地形まで書かれているわけではなく現在位置はイマイチ不明なままだった。まあ、登山道さえあればどうでもいいか。立派な登山口には梯子がかかり、2mほどの法面を乗り越えて斜面に取り付く。最初は露岩混じりの急斜面で、藪が少なくどこでも歩けてかえってルートが分かりにくい。登山口にはルートが分かりにくく迷う人が多いので初心者は経験者に同行のことと出ていたがそれも頷ける。まあ、日常的に藪を歩いている人なら道を失うことは無いレベルだが。

傾斜が緩むと植林帯を進む 尾根と合流。帰りに直進しないよう注意

 浅い谷沿いの登りから右にルートを変えて急斜面を登って傾斜が緩むと植林帯に突入し、小尾根登りからトラバース気味に斜めに上がっていく。太陽は右手に見えており北に向かっているようだ。植林を進んでいくと標高550m付近で大きな尾根と合流、こちらにも登山道が付いていて分岐の案内標識が立ってた。帰りに間違いないようにしないと。

まだ植林が続く 照葉樹が混じりだす
良好な登山道が続く 標高780m付近に水場あり

 以降は植林帯の太い尾根を上がっていく。再び右から上がってくる尾根に合流する箇所があったが、ここはたぶん691m標高点付近だろう。さらに登ると小ピークを越えて小さな沢を渡るが、ここは標高780m付近と読み取れた。こんなところに水場があるとは思わなかった。これなら水を置いてきてよかったかな。

石楠花の多い樹林 山頂近し

 さらに登ると植林が終わって照葉樹林帯となった。この標高にして石楠花が多く見られたが、さすが低い所に生える石楠花の姿は高山と違い、ある程度の高さまで枝分かれすることなくひょろっと伸びており、あの強固な藪を形成する姿は微塵も見られない。これならシーズン中は花を楽しむ余裕もあるだろう。

子ノ泊山山頂 山頂標識類。ネズミの絵が微笑ましい
1等三角点 子ノ泊山から見た熊野灘
子ノ泊山山頂からの展望(クリックで拡大)

 少し背が低くなった照葉樹林を登っていくと右手にピークが見えるようになり、それが山頂かと思った。しかしそのピークに到達する前に登りきった開けたピークが子ノ泊山山頂であった。5万図では細かい地形が見えないが後で2.5万図を見たらそのとおりだった。山頂は標識が鮮やかで、子年の山にちなんでネズミの絵がお出迎え。今年は寅年、来年は兎年で子年に無関係だが、干支の年の元日は賑わいそうだ。周囲は低い木が覆っていてあまりすっきりと風景が見えるわけではないが、北や東方向は開けていた。ただしこの付近の土地鑑はゼロなのでどの山が見えているのかかは同定不可能だった。

 帰りも同じルートを戻る。駐車場は無人のままで山中では誰とも会わなかった1日であった。 

 

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